昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜
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パチン。


クリスマスはベタ〜にイルミネーションとか見に行くんもええけど。

ウチは家でまったり二人で過ごすんもいいかなぁておもてた。


パチン。


ほんで、一緒に手作りケーキとか食べるねん。苺のっとる可愛らしーヤツな。ケンチキとか買うてな、一緒にかぶりつくねん。なかなかやるなぁ、カーネルサンダース!ゆうてな。

なに?そんなかわいらしいクリスマス妄想とか意外やって?失礼やな、ウチかてちょっとぐらい憧れてもええやんか。


パチン。


そんで今日はクリスマス。コタツの出された部屋で、二人っきりで、その日を今過ごしてる。


…っていうか、戦っとる。


なんの飾り気もない、ケーキもない、カーネルサンダースのおっちゃんが笑てる箱もない。同じアパートのいっこ上の…かっちゃんの部屋にて。



パチン。



…オセロでな。



「………ぷ…っ…」

「……」


白、ウチ。

黒、かっちゃん。


そんで今…ウチらの目の前にあるんはびっくりするほど白ばっかしで埋めつくされた、板。


「……っ…も…アカンわ…っ!!」

「……………。」


盤面、ホワイトクリスマスや。


「ギャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!」


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