昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜
「〜うっさいっ黙れボケっ!!」
「…はっ…だって……黒ないやん……っ…!!」
「あっ…るやんか!」
「…な…っ…何個よ…?」
「…………………三個」
「ギャハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!」
ヒィヒィのたうち回るウチに、明らかにかっちゃんはムスッと子供みたいに拗ねとる。
かっちゃんは機嫌悪いとすぐに顔に出るから。
「…かっちゃん…っ…そんな弱いんやったら何でオセロとか出してくるねん!!」
アカンわ。ツボッた。笑い止まらへん。
「…今日は調子悪かってん、おれ」
「調子悪いと三個なん?」
「…………」
「三個って…片手で数えれる──」
「うっさいボケェ〜っ!!」
ガッシャーン、てオセロ盤をひっくり返して、かっちゃんが飛びかかってくる。
「ふはっ!!…ちょやめろっ!!アカンアカンこそばい〜っ!!」
「はっ!参ったか!!」
脇腹を捕らえられてこそばしを受けるウチは、降参降参ゆうて笑いまくって。クリスマスやのに、色気もなんもあったもんちゃうわ。
そんなん思いながら、涙目で目線上げたら…かっちゃんと目が、おうた。
「……」
「……」
「………」
「………」
「……犯していい?」
「…イヤじゃボケ」