昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜
この性欲の塊みたいな男は、何でこうもスイッチがいつでも入るんか。
「…………」
「…………」
しばらく無言。乗っかられたまま重いんですけど。あなたウチより何センチデカい図体してらっしゃるとわかってますか、かっちゃん。
かっちゃんはめっちゃ考えるみたいにして、眉を寄せて、ゆるめて、それで、
「…チューしていい?」
また、阿呆な発言をした。
「………アホか」
そんなん、聞くなよ。
またちょっとの沈黙の後。ウチが下から上におるかっちゃんを軽く睨んだら、かっちゃんは唇をクイって上げて幸せそうに笑った。
そのままウチに覆い被さるみたいにするから、ウチはかっちゃんにすっぽり隠れてまう。何センチでかい図体って。
15センチやで。彼氏彼女の黄金比率やで。…アホか。
「…ん………」
吸い付いた唇。
それはまるでオセロの白と黒が引っ付くのと同じみたいで。
しばらく合わさったままで、一回離れて、目をじっとのぞき込まれて。反らそうとしたらまた唇が合わさった。
かっちゃんのゴツい手がゆっくり。探るみたいにウチのパーカーに入り込んできたから、結局ヤるんかい。て心の中でツッコんだ。