昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜


風間は一分もせんうちにすぐ戻ってきてくれた。

両手にコートと、ウチのカバンを持って。


「よっしゃ!!優子帰んで」

「へ……?」

「送ってくから。…寄っかかって立てるか?」


外の空気吸うた方が楽かもしれんし、風間はそう言ってウチの体重をまるごと引き受ける。

頭が回って体がゆうこときかへん。


悪いからええよって断ろうと思たけど、結局任せっきりにして、頭を風間の肩に預けた。















< 44 / 367 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop