昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜
風間は一分もせんうちにすぐ戻ってきてくれた。
両手にコートと、ウチのカバンを持って。
「よっしゃ!!優子帰んで」
「へ……?」
「送ってくから。…寄っかかって立てるか?」
外の空気吸うた方が楽かもしれんし、風間はそう言ってウチの体重をまるごと引き受ける。
頭が回って体がゆうこときかへん。
悪いからええよって断ろうと思たけど、結局任せっきりにして、頭を風間の肩に預けた。