昼暮れアパート〜ふたりは、いとこ〜
椅子にもたれたまま、そのままずり落ちそうになった。
「え、…え?なに…」
「やから旅行。温泉一泊二日」
「お…温泉!?」
旅行、て。
なに?何ゆうてんの、かっちゃん。
なんでウチにそんなん──
かっちゃんが、ウチの牛丼の肉一枚取った。頭ん中慌てすぎて、怒るタイミング逃した。
「いや、さくらがな」
「…………は?」
「さくらがゆうてんねん。ゆうと、風間くんと4人で旅行したい〜て」
「…………」
…なーんや。そういうことかいな。
「俺は二人でエエんやけどなー、さくらがどうしても一緒に行きたいゆうて。頼んでみてって言われてん」
「………」
「暇な日でエエし。あかん?」
「……別に、…ええよ」
声がかすれそうになるん、必死でこらえた。
ビックリするくらい食欲無くなった。牛丼まだ半分残っとるのに。
何が楽しくて四人で旅行やねん。イライラする、ムカムカする。春休み全日忙し死にしそうや〜ゆうといたらよかった。あー…もう、なんか…
なんでかっちゃんが好きって気づいてしもたんやろ。
知らんふりしとったらよかったのに。
なんで。
「風間くんにも言うといてか……、どした?」
「………」
なんで、なんで。
「…肉取ったん、そんなに怒っとるん?」
…なんでかっちゃんなんか、好きになってしもたんやろ。
.
「え、…え?なに…」
「やから旅行。温泉一泊二日」
「お…温泉!?」
旅行、て。
なに?何ゆうてんの、かっちゃん。
なんでウチにそんなん──
かっちゃんが、ウチの牛丼の肉一枚取った。頭ん中慌てすぎて、怒るタイミング逃した。
「いや、さくらがな」
「…………は?」
「さくらがゆうてんねん。ゆうと、風間くんと4人で旅行したい〜て」
「…………」
…なーんや。そういうことかいな。
「俺は二人でエエんやけどなー、さくらがどうしても一緒に行きたいゆうて。頼んでみてって言われてん」
「………」
「暇な日でエエし。あかん?」
「……別に、…ええよ」
声がかすれそうになるん、必死でこらえた。
ビックリするくらい食欲無くなった。牛丼まだ半分残っとるのに。
何が楽しくて四人で旅行やねん。イライラする、ムカムカする。春休み全日忙し死にしそうや〜ゆうといたらよかった。あー…もう、なんか…
なんでかっちゃんが好きって気づいてしもたんやろ。
知らんふりしとったらよかったのに。
なんで。
「風間くんにも言うといてか……、どした?」
「………」
なんで、なんで。
「…肉取ったん、そんなに怒っとるん?」
…なんでかっちゃんなんか、好きになってしもたんやろ。
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