涙にKISSして
昔からお母さんはすごい発言をするけども、今日の発言もかなりのお手のモノ。
「玲も青葉高校に行くの?」
「そうみたいよ!
――…ちなみに秋ちゃんも」
“秋ちゃん”という言葉に思わずドキッとする。
「優菜はどうしたい?」
さっきまでフザけていたお母さんが急にマジメになる。
きっとお母さんは、あの苦い過去を知っている。
何度も泣いたあの“過去”を……
これはきっと決着をつけろ。という意味なんだよね…?
――…だからあたしは決めたの。
「青葉高校に行く」
そう言ったあたしを嬉しそうにお母さんは見ていた。