黒雪姫！

「雪野英恵です。6月9日生れの
双子座、血液型はB型です。趣味
は芸術鑑賞で、特技は書道とﾌﾙｰﾄ
です。よろしくお願いします。」



ﾊｷﾊｷとした口調でその美少女は
言った。自己紹介が終わった後、
まばらな拍手と呆然とした顔が
教室中に広がった。



放課後になって、美鶴と和俊は
何やら二人で話し込んでいた。

「やっぱり誘ってみようよ。」

「えぇー？ｶﾝちゃん一人で言って
来てよぉ。私嫌だもん。」

「何でだよ？」

「だってぇ…全然笑わないし……
それに全然愛想無いんだもん。」

「編入して来て友達居なくて緊張
してるんじゃ無いのか？」

「えぇ？そうかなぁ…？」

「…もういいよ。僕一人で言って
来るから。」

「えっ！解ったよぉ。私も一緒に
行くってば！！」

美鶴と和俊は二人で英恵の席に
近付いて行って声を掛けた。