狐憑きの夜~始まりなる終わり編~
出会い
人生の転換期ってものは誰にでも訪れるものだと思う。
ただ、それが本人の気付くような形で現れるか、分かりにくいかなだけだ。
実際、あの日から、自分の人生が大きくねじれていくなんて、後々になるまで気付かなかった。
もし、ここで気付いていたら、俺は……いや、俺達はあんな事にならずに、今でも笑い合っていたかもしれない。
まあ、今となっては後の祭りだし、気付いていたとしても、『運命』からは逃れられなかっただろうから、結局、俺たちはこうなるしか、なかったのかもしれないけど……