北千住奇想曲
「ヤマダくんってさ、今なんの仕事してるんだっけ?」
彼女は唐突に話題を変えてきた。
ぼくは、二年前までは日雇い派遣の会社で事務を仕事をしていた。
事務・・・というよりも、あれはあれで肉体労働だったけど。
日雇いバイトの最大大手の会社が行政処分やら労災隠しの問題で廃業に最近なったけど、あれの競合の会社。
当時は、会社の業績は右肩上がり、しかも、株式上場したばかり。
その恩恵で、バイトだったぼくも社員もならないか支店長に誘われた。
契約社員だったけど、給料も安かったけどそれなり愛着があった。
珍しく続いたバイトだったし。
でも、なんとなく上場してから雰囲気が変わってしまったのが嫌になって、一年前に意を決してIT業界に転職していた。
超がつくほどベンチャーだったけど。
とにかく、わけの分らないソフトを作っている会社なのだが、そこはバリバリの理系の人ばかりで接客とか電話対応がそもそも体質的にできないという変わった人ばかりだったせいで、ぼくは採用されたようだ。
おかげで、顧客のサポートやら営業やらを一手に引き受けることになった。
これはこれで楽しいし、仕事には不満はない。
なぜかわけのわからないソフトウェアは売れまくり、給与も右肩上がりに上がっている。
そんな話を谷沢藍に掻い摘んで話をした。
「へぇー、IT系なんだ。ヤマダくんっぽいね。羨ましいー」
「想像しているよりも過酷だけど。普通の会社っぽくないし、ふつうの人がいない」
「まあ、ヤマダくんも普通じゃないよ。それにしても私服でいいんだ?仕事」
話が脇道にそれたまま戻る兆しがまるで無いが気にしないでおこう。
「そうだね。まあこの業界自体がそうなんだよ。おかげで正社員なのに気持ちはバイトのままだな」
「─ふーん─・・・」
谷沢藍はそこで一息ついて言葉を止めた。
彼女は唐突に話題を変えてきた。
ぼくは、二年前までは日雇い派遣の会社で事務を仕事をしていた。
事務・・・というよりも、あれはあれで肉体労働だったけど。
日雇いバイトの最大大手の会社が行政処分やら労災隠しの問題で廃業に最近なったけど、あれの競合の会社。
当時は、会社の業績は右肩上がり、しかも、株式上場したばかり。
その恩恵で、バイトだったぼくも社員もならないか支店長に誘われた。
契約社員だったけど、給料も安かったけどそれなり愛着があった。
珍しく続いたバイトだったし。
でも、なんとなく上場してから雰囲気が変わってしまったのが嫌になって、一年前に意を決してIT業界に転職していた。
超がつくほどベンチャーだったけど。
とにかく、わけの分らないソフトを作っている会社なのだが、そこはバリバリの理系の人ばかりで接客とか電話対応がそもそも体質的にできないという変わった人ばかりだったせいで、ぼくは採用されたようだ。
おかげで、顧客のサポートやら営業やらを一手に引き受けることになった。
これはこれで楽しいし、仕事には不満はない。
なぜかわけのわからないソフトウェアは売れまくり、給与も右肩上がりに上がっている。
そんな話を谷沢藍に掻い摘んで話をした。
「へぇー、IT系なんだ。ヤマダくんっぽいね。羨ましいー」
「想像しているよりも過酷だけど。普通の会社っぽくないし、ふつうの人がいない」
「まあ、ヤマダくんも普通じゃないよ。それにしても私服でいいんだ?仕事」
話が脇道にそれたまま戻る兆しがまるで無いが気にしないでおこう。
「そうだね。まあこの業界自体がそうなんだよ。おかげで正社員なのに気持ちはバイトのままだな」
「─ふーん─・・・」
谷沢藍はそこで一息ついて言葉を止めた。