北千住奇想曲
日比谷線に乗ると運良く秋葉原で座る事ができた。今週は何だかんだでよく働いた。座った瞬間に疲れがどっと出た。

北千住で乗り換える事が多いが今日は各駅停車でのんびりと越谷まで行こう。その間に疲れ気味の体を癒やし、これからの事を少し考えてみようと思った。

あれから谷沢藍とは1回だけメールをした。昨日の深夜の事だ。

今日の予定の再確認と、待ち合わせ場所についてだ。

谷沢藍はその日の夜は、例の秘密のバイトだったようだ。返信メールは深夜2時過ぎに届いた。

ぼくは越谷駅の西口のカフェOBを指定し、都合が悪くなった場合は早めに連絡するように、と連絡した。

彼女はこの間よりも事務的に、都合は大丈夫だが美容室のバイトの関係で最大30分程度遅れる可能性がある事、場所についても了解した、と
短いメールを返信してきた。


秘密のバイトか。
それも含めてワケのわからない事が多い。

独りで考えても解答が出ない事を車中で悶々と考えているうちに越谷駅、すなわちぼくのホームタウンに電車は到着した。
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