北千住奇想曲
脱衣スペースも綺麗に掃除がされ、シンプルだけど整然としていた。

マットとか、収納用の家具は落ち着いた色に統一されていて、埃など微塵も確認出来なかった。

谷沢藍が掃除をしているのだろうか。
そんな事を考えながらぼくは服を脱ぎ、丁寧にたたんだ。

普段はそんな事はしない。
ただ、この家の中ではそうしない訳にはいかない。
そう思った。

浴室も同様だった。シャワーを浴びた後は丁寧に床を流してから出た。

体を脱衣スペースで丁寧にふきながら、谷沢藍の事を思った。
彼女にとって、ぼくはどんな存在なんだろうか?

ここへの道すがら彼女は何を考えていたのだろうか?


彼氏のTシャツとスウェットはかなり大きなサイズだった。

あの風貌でかなりガタイも良い。
しかも、ヤキモチ焼きときた。
こんなのが知れたら大変な事になるんだろうな、指一本触れてなかったとしても。
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