北千住奇想曲
1
谷沢の家から帰宅後、着替えるとすぐに会社に向かい眠い頭に活を入れながら仕事に励んだ。
アサミさんは黙って財布をぼくのデスクに置くとボソリと「なんか顔が変わった」とだけ言った後は無言で自席でキーボードを叩いていた。
何も状況は変わっていないがぼくは少しだけふんぎりがついた気分だった。
谷沢藍の家に一泊して、たわいもない話をして、おかしな夢を見た。
ただそれだけなのに。
変な高揚感に包まれていた。
千夏の事もそのままだし、谷沢藍についても進展は実際はないのに。
帰り際にアサミさんに捕まり、甘酒横町のドトールに連行された。
「ったく、ヤマダくんは財布の礼も昨日の非礼も詫びないままに浮かれてるんだからなー」
開口一番に出てきた言葉がこれだった。
アサミさんは黙って財布をぼくのデスクに置くとボソリと「なんか顔が変わった」とだけ言った後は無言で自席でキーボードを叩いていた。
何も状況は変わっていないがぼくは少しだけふんぎりがついた気分だった。
谷沢藍の家に一泊して、たわいもない話をして、おかしな夢を見た。
ただそれだけなのに。
変な高揚感に包まれていた。
千夏の事もそのままだし、谷沢藍についても進展は実際はないのに。
帰り際にアサミさんに捕まり、甘酒横町のドトールに連行された。
「ったく、ヤマダくんは財布の礼も昨日の非礼も詫びないままに浮かれてるんだからなー」
開口一番に出てきた言葉がこれだった。