おかしな国の住人たち
そのとき少年は思いました。
だめだ、この人に任せて馬を売りに行かせたら、必ずまた馬を交換して
「ほらかわいい馬でしょ?名前は何にしようかしら」
なんて言って、また変な名前をただの馬につけることになってしまう!
今までだって母さんに任せていたからいつの間にかこんな貧乏になったんじゃないか!
このままじゃいつになっても僕らのご飯は馬行きだ!
ジャックのここまでの思考時間は0.8秒。
すぐさま判断を下すとジャックはにっこり笑って出かけようとしているお母さんにいいました。
「母さんはゆっくりしてなよ。僕が行ってくるよ」
「あらジャックちゃん、行ってくれるの?いい子ねぇ」
お母さんはにこにこ。
セーフ!
ジャックは密かに
胸をなでおろした。息子の方がしっかりしているのだ。
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