ヤクザと執事と私 【1の残り】
「サブさん、今日はどうしたんですか?」
私は、イスに座りながら、サブに話かける。
「いや、ハル婆が様子見てきてくれってうるさくてな。」
(ハルさん・・・)
私は、心配してくれている人がいることが少しうれしかった。
「それで、どんな様子なんだ?」
サブが感傷に浸っている私を見る。
「はい。真木さんは、相変わらず、意識が戻りません。」
「・・・そうか。」
私とサブは、下を向く。
いたらいたで、とんでもない問題を運んでくる真木ヒナタだけど、いなければ、やっぱりどこかさびしかった。
「ところで小夜はどうなんだよ?」
「どうって何がですか?」
「いや、ほら、ここって病院じゃん。・・・夜、出るんじゃないの?」
「出る?」
「そう、幽霊が。」
「・・・でません!」
私は、強気にサブの言葉を打ち消す。
(まったく人が考えないようにしてたのに!)
私は、サブに腹を立てる。
「なんだ、おもしろくないな。でも、この病院、子供の幽霊が出るって聞いてたのにな。ガセネタか。」
サブがとんでもない一言をつぶやく。