ヤクザと執事と私 【1の残り】
「わっ!・・・・誰?」
私がそこで見たものは、真木ヒナタの寝ているベットのすぐ横に立っている栗色の髪の女の子だった。
その女の子がゆっくりと私の方に振り返る。
「・・・こんな所でどうしたの?」
私は、その女の子に声をかける。
女の子は笑顔だった。
「・・・言葉わかる?」
私が女の子にこう言ったのには訳があった。
女の子の後ろ姿からは、栗色の長い髪だったから気づかなかったけど、顔を見たら、明らかに白人系の顔をしていたからだった。
私は、女の子にしゃべりかけながら、少し安心していた。
だって、日本の病院で白人の幽霊が出るって聞いたことないから。
女の子は、私の問いには答えずに笑顔のまま私の目の前まで歩いてきた。
背の高さは、私より少し低いくらい。
年齢は、白人系の顔をしているから、よくわからなかった。
ただ、日本人の私よりも背が低いことを考えると、私より歳をとっていることは考えにくかった。