ヤクザと執事と私 【1の残り】
(朝から嫌なのもの、見ちゃったなぁ~・・・あれ?)
「ポチさん、今、どうやって部屋の鍵あけたんですか?」
私は、寝る時は、いつも部屋の鍵を閉めておくだけに、なぜ、ポチが勝手に入ってこれたのか疑問だった。
「?開いてましたけど・・・。あっ、飲み物もらいますね。」
ポチは、私が止める間もなく私が飲みかけのミネラルウォーターのペットボトルを手に取り、直接、ペットボトルに口をつけて飲みだした。
(あ~!・・・最低・・・ポチさんと間接キス・・・。)
私は、あからさまに嫌な顔をする。
その私の表情を見たポチさんが、「あれ?小夜兄さんもいります?」とポチが直接口をつけたペットボトルを差し出す。
「い・り・ま・せ・ん!!」
これ以上ないくらい強く断る私。
(これが、龍一さんだったら、うれしいのに。)
私は、世界の終わりのような表情で落ち込んだ。
(っていうか、何でこの人こんなに元気なのに、入院してんの?)
私はポチを睨みつける。