ヤクザと執事と私 【1の残り】


「残念ながら・・・・完全な健康体ですね。」


「そうですか・・・それは本当に残念です。」


私は、医者の言葉に心底、残念そうに頭を下げる。


「いやいやいやいやいや、どう考えても反応おかしいでしょ。健康なら喜ぶところじゃないですか?」


私と医者の反応を見たサブが叫ぶ。


「いや、私は医者ですからね。病人以外は、ただの他人です。喜ぶいわれは、ありません。」


医者は真剣な表情。


「だそうですよ。ポチさん。」


私は、ポチを見る。


「えっ、いや、そりゃ、まぁ~、医者はしょうがないとしても、小夜兄さんは、喜んでくれても・・・」


「気分的に嫌です。」


私、即答。


「・・・気分的?」


「はい、気分的に。」


「・・・そんなヒドイ。」


落ち込むポチ。


「残念ながら、冗談ですよ。よかったですね、ポチさん。健康で。」


私は、笑いながらポチを見る。

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