ヤクザと執事と私 【1の残り】
第4節:見回り
病院の時計の針が消灯時間の21時指す。
私は、その時間に真木ヒナタの病室で点検をしていた。
今までは、警察の警備がついていたので、特に確認はしていなかったけど、昨日の夜の現実か夢か判断できないことがあって不安だったから。
真木ヒナタは、まるで眠りの森のお姫様のように眠り続けている。
「これキスすれば起きるんじゃないんですかね、小夜兄さん?」
「・・・誰がするんですか、ポチさん?」
「・・・サブさん、やってみます?」
ポチがサブを見る。
「俺、嫌だよ。小夜がやれよ。」
「何でキスすることが、前提で話を進めているんですか、サブさん?」
「そうですよ。そんなことしたら、殺されちゃいますよ。ねぇ、小夜兄さん。」
ポチは、サブの言葉を馬鹿にしたような感じで私をみた。
「いやいや、言い出したのポチさんですよ。」
私とサブとポチが、真木ヒナタのベットの前で真木ヒナタの様子を見ている。
「・・・アッシ達のような、むさい男にキスされたら、真木さんも嫌ですよね・・・あ、小夜兄さんは、むさい男じゃなくて美少年ですよ。」
ポチは私にあからさまにゴマをする。
しかし、真実をしらないポチは、それがまったくゴマすりになってないことに気づかないのが、私には少し可笑しかった。
「え、それだったら、俺もむさい男から外してよ~。」
サブは、ポチに文句をいう。
「・・・むさい男はずしたら、ただのチンピラですけど?・・・ねぇ、小夜兄さん。」
どうやらポチは、お見舞いの件でサブを恨んでいるらしい。
見回りに来る前から、サブに対して少し冷たい。