ヤクザと執事と私 【1の残り】
「もう、しょうもない言い合いはやめてくださいよ。今日は、3人で泊まりで真木さんの警護なんですから。」
「は~い。」
サブとポチは、私の言葉に素直に返事をする。
「それにしても、本当に幽霊見たんですか、小夜兄さん?」
「・・・だから、夢か現実かわからないって。」
「あっ、そうだ。せっかく病院泊まるんだから、きもだめししようぜ!最初が小夜で・・・」
「サブさん、遊びじゃないんですよ。龍一さんに言いますよ!」
「・・・ごめんなさい・・・お願い、執事さんには言わないで・・・小夜様。」
サブは、これ以上ないくらい悲しそうな表情で私の服のスソを掴みながら私を見る。
「プッ、・・・無様。」
ポチが、横を向いて小声でこぼす。
「なんだよ、さっきから。・・・フラレ虫のくせに。そんなんだから、結婚できないんだよ。」
ついにサブもポチに怒ってかみつく。
「アッシが結婚できないことは、関係ないでしょ!っていうか、何でその話知ってるんですか!」
サブは、私を見る。
そして、そのサブの視線を追って、ポチも私を見る。