ヤクザと執事と私 【1の残り】
「小夜兄さん~!もしかして、その話言ったんですか?」
「いや、私は、その話は、組長と龍一さんにしか言ってませんよ!」
ポチの必死の形相にあわてて言い訳する私。
「ああ、小夜からは聞いてないよ。・・・ただ、組長が組に帰って来てすぐに、会う奴、会う奴に小夜から聞いた話として言っていたけどな。」
(組長~・・・)
私は、組長がいる場所で話してしまったことを後悔した。
しかし、今さら後悔しても遅く、ポチは私を睨んでいる。
「・・・まぁ、話してしまったことは、仕方ないよね?」
私は、できるだけ、笑顔でポチをみる。
「よくありませんよ~!恨みますからね、小夜兄さん!」
ポチの叫びが、病院にコダマする。
その時、病室のドアが急に開く。
私とサブとポチが、一斉にドアを見る。
「何度言えばわかるんですか!いい加減に静かにしてください!」
そこには、幽霊よりも怖い看護士長が立っていた。
「「「・・・すいませんでした。」」」
私とサブとポチは、3人同時に謝り、真木ヒナタの病室を出て、隣の部屋へと戻っていった。