ヤクザと執事と私 【1の残り】
私は、サブを目の前にして、2択の選択を強いられていた。
「小夜にわかるかな?・・・この2択、片方は死神が待ち受けているぞ。」
サブは、私を見て不気味に笑う。
「・・・わかってますよ。」
私の頬を一筋の汗が流れ落ちる。
そして、私は決心した。
「・・・こっちです。」
サブの左手のカードを引き抜き、カードの図柄を見る。
そのカードは、ジョーカー。
まるで死神のように大きな鎌を持ったジョーカーが描かれていた。
「もう!」
私は、思わず叫ぶ。
「あひゃひゃひゃ~。」
サブの私を馬鹿にした笑いが部屋に響く。
「まだ負けたわけじゃないんですからね。」
私は、2枚のトランプをサブに見えないように背中に隠してシャッフルする。
「さあ、どうぞ!」
シャッフルしたトランプを右手と左手に1枚ずつ持ち、サブの前に差し出す。
「どれにしよう・・・・かなっと。・・・・こっちだ!」
サブは、私の右手に持ったカードを引き抜く。
そして、そのトランプの図柄はハートのエース。
ハートの図柄に矢が刺さっている絵が描かれていた。