ヤクザと執事と私 【1の残り】
「よ~し!」
サブは、手持ちの最後のカードを見せると、そのカードもハートのエースだった。
当然、残された私のトランプはジョーカー。
「あ~・・・また、負けた・・・・」
私は、悔しくて、思わず声をだした。
「やっと終わったんですか?」
テレビを見ていたポチが私とサブの方を見る。
ポチは、一番最初に勝ち抜けた。
しかも、ポチは5連勝。
「・・・トランプは強いんですね。」
負けた私が、ひがみをポチに言った。
「・・・トランプはって何ですか!トランプもですよ!」
必死に私の言葉を否定するポチ。
「誰にでもトリエがひとつくらいあるものだよ。」
サブも私に続く。
そのサブの表情を見ると、私と同じようにポチに負けたのが悔しい様子。
「ひとつって、他にもたくさんありますよ!」
サブを睨みつけるポチ。
「それじゃ、あげてみてよ!」
ポチを睨み返すサブ。
「うぅぅぅぅぅ~・・・・」
考え込むポチ。