ヤクザと執事と私 【1の残り】

「よ~し!」


サブは、手持ちの最後のカードを見せると、そのカードもハートのエースだった。


当然、残された私のトランプはジョーカー。


「あ~・・・また、負けた・・・・」


私は、悔しくて、思わず声をだした。


「やっと終わったんですか?」


テレビを見ていたポチが私とサブの方を見る。


ポチは、一番最初に勝ち抜けた。


しかも、ポチは5連勝。


「・・・トランプは強いんですね。」


負けた私が、ひがみをポチに言った。


「・・・トランプはって何ですか!トランプもですよ!」


必死に私の言葉を否定するポチ。


「誰にでもトリエがひとつくらいあるものだよ。」


サブも私に続く。


そのサブの表情を見ると、私と同じようにポチに負けたのが悔しい様子。


「ひとつって、他にもたくさんありますよ!」


サブを睨みつけるポチ。


「それじゃ、あげてみてよ!」


ポチを睨み返すサブ。


「うぅぅぅぅぅ~・・・・」


考え込むポチ。

< 42 / 56 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop