ヤクザと執事と私 【1の残り】
「まぁ~まぁ~、いいじゃないですか。あのポチさんにひとつでもトリエがあったんですから。」
ポチとサブの仲裁に入る私。
「何ですか、小夜兄さんまで!アッシが勝ったのに何でこんなに責められるんですか?」
私とサブを交互に見るポチ。
「もう、いいじゃないですか、ポチさん。次いきましょ、次。」
「まだ、やるのかよ、小夜。もう夜中の2時だぞ?」
サブが本気といった表情で私を見る。
「だって・・・だって・・・まだ1回も勝ってないんですよ?」
私は、もうかなりの回数、トランプでいろんなゲームをしていたが、1回もサブとポチに勝てなかった。
「それよりも、誰か真木さんの病室の見回り行ってこいよ。」
サブが、あからさまにポチを見て言った。
「・・・アッシ嫌ですよ。・・・・こういうことは、トランプで負けた人が行けばいいんですよ。」
ポチが私と目を合わせずに言う。
「うわぁ、ヒドイ!ポチさん。そういうこと言うんだ。」
私は、ポチを睨む。