ヤクザと執事と私 【1の残り】
真木ヒナタの病室の中には、私達の予想に反して、ポチではなく、私が昨日見た少女が立っていた。
少女は、いきなり部屋に入ってきた私とサブを見て笑顔になる。
私は、少女の方に向おうとした瞬間、サブが私の前に腕を上げ止める。
「?・・・どうしたん・・」
私を止めたサブに言いかけて、私は、サブが私を止めた理由に気がついた。
病室の床には、ポチが倒れていた。
「昨日のお姉ちゃん、また、来ちゃったの?」
少女は、真木ヒナタが寝ているベットの側に歩く。
「小夜は、男だよ。」
サブが、少女の言葉に反論する。
「・・・へぇ~・・・私には関係ないから、どっちでもいいけど・・・本当かなぁ~・・・」
少女は笑いながら、私を見ている。
「お姉ちゃん、ちょっとこっち来てみてよ。」
少女が私を手招きする。
私はサブを見る。
サブは、私に目で行くなと送ってきた。
「何だ、来てくれないの?・・・しょうがないなぁ~・・・これで、どう?」
少女の手にある拳銃が、寝ている真木ヒナタの頭に突きつけられる。
「サブさん・・・」
「・・・」
私とサブは、目を見合わせる。