好きだけじゃ伝わらない。
「お父さん、お母さん
なぁに??」
お父さんとお母さんは
いつもご飯を食べるところの
机の椅子に座っていた。
「美依亜…
転校しましょう」
お母さんは私にそう言った。
私はもうあの学校の
あの教室に行きたくない。
「いつまでも、家にいるってわけには
行かない。だから、違う学校に
しよう。なぁ、美依亜??」
お父さんもそう言った。
お父さんとお母さん
2人が言ってることは
分かる。
でも
学校に行きたくない。
怖い。
「美依亜、いざとなったら
俺が守る」
お兄ちゃんが
私の肩を抱いて言った。
「分かった」
本当は行きたくない。
でも、
これ以上家族に甘えるわけにも
行かない。
それに
心配かけたくない。
もう逃げない。
逃げられない…
強くならなきゃ─────。