飛翔の月

儀式の前に、赤魏は庭にある滝で身を清める。

その滝水は、氷水のように冷たい。

この地は南方、雪も降らぬ土地だというのに。

「赤魏様、そろそろ…。」

「わかった。」

朧は部下に命じ、赤魏を神輿に乗せた。

そして、赤魏を城の最南方、朱雀廟へ運んだ。

朱雀廟のなかで、赤魏と赤通は、向かい合うように座る。

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