飛翔の月

赤通が祝詞を唱える。

「我らが神、朱雀の君よ、今こそ時は満ちたり。
我が身体に預けられし其の神力、今こそ我らが新たなる長たる者へ移りたまへ。」

祝詞が終わると、赤通から…、いや、赤通の身体の奥底から朱い光が溢れ出した。

その光はしだいに強くなっていき、ついに赤通の身体から舞い上がり、真の姿を見せたのである。


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