飛翔の月
『どうやら、ここの町人たちのようだ。』
「何だって町人がこんな夜更けに。」
『私の知ったことではない。
行ってみればよかろう。』
「だな。」
面白くなりそうだ。
赤魏は部屋から出、階段を降って宿の外に出た。
「何をしている?」
町人たちのところまで行き、そう聞く。
町人たちは見たところ男ばかり、町の男衆のようだ。
町人は思わぬ男の登場に困惑している。
(なんか、無茶苦茶怪しいんだけど。)
赤魏は頭の中で珠煌に話し掛ける。
『とにかく話を聞いてみるほかあるまい。』
(了解。)
勿論、珠煌の声は町人たちには聞こえない。