飛翔の月

「あのさ、」

赤魏は先程の男に言ったことと同じことを聞く。

「そうだなァ…。
頼みたいが、この人数だぞ、行けるのか?」

男は周りをちらっと見た。

大体、百人いるかいないかでかなりの数だ。

「問題ない。」

赤魏は涼しい顔で言う。

「なら、頼む。
…いや、少し待て。
長老様に言ってくる。」

男と長老は話し合い、結局、赤魏に頼むことにした。

赤魏は場所や目印を聞き、力を集中する。

そして次の瞬間、辺りの景色が一気に変化した。

「この辺りなら問題ないだろ?」

赤魏はニッと笑う。

赤魏が移動したのは、荒れ寺からさほど離れていない茂みの中。

向こうからは見にくいだろう。

(ん、あれは…)


< 34 / 50 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop