飛翔の月

大きな洞窟を利用した隠れ家。

その一室に赤魏達は放り込まれた。

「お前は殺すには惜しい。
俺らの仲間になるなら助けてやらんこともないが、どうする?」

赤魏を踏み付けながら大男が言った。

「…断る。
ブタ野郎。」

赤魏は光の宿った強い目で大男を睨みつけた。

「この野郎ッ!!」

赤魏は思い切り殴られ、壁まで吹っ飛ばされた。

「ガハッ…!」

壁にぶつかった衝撃で咳込む。

「テメェ、よくも…!」

大男は怒り狂い、赤魏にドカドカと向かって来る。

赤魏はかなり咳込んでいて、身動きが取れない。

それを良いことに、大男は次々と赤魏の腹、顔、背中などを殴っていく。

「──そこまでだ。」

ひとしきり殴られた後、部屋の扉から声がした。


< 41 / 50 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop