飛翔の月
大きな洞窟を利用した隠れ家。
その一室に赤魏達は放り込まれた。
「お前は殺すには惜しい。
俺らの仲間になるなら助けてやらんこともないが、どうする?」
赤魏を踏み付けながら大男が言った。
「…断る。
ブタ野郎。」
赤魏は光の宿った強い目で大男を睨みつけた。
「この野郎ッ!!」
赤魏は思い切り殴られ、壁まで吹っ飛ばされた。
「ガハッ…!」
壁にぶつかった衝撃で咳込む。
「テメェ、よくも…!」
大男は怒り狂い、赤魏にドカドカと向かって来る。
赤魏はかなり咳込んでいて、身動きが取れない。
それを良いことに、大男は次々と赤魏の腹、顔、背中などを殴っていく。
「──そこまでだ。」
ひとしきり殴られた後、部屋の扉から声がした。