戸惑いプリンセス
榛原が好きだと自覚したのは中学二年の時だった。
その頃、榛原は教員試験に見事受かり、教育実習のために何週間か外に出ていた。
その間は当然会えるはずもなく、和紗は榛原が帰ってくる日をまだかまだかと待ち焦がれていた。
自覚してしまうと人は欲張りになってしまうようで、和紗は榛原の隣にいたいと思うようになった。
どうしたら一緒に居られるのかな?
他人からしてみれば些細な事かもしれないが、和紗にはとても重要で。
散々考えた結果、榛原の母校であるこの高校を受験することに決めた。
前に一度だけ、榛原が「やっぱり働くなら母校だよな」と言っていたのを覚えていたからだ。
ただ、榛原の母校であるこの高校は勉強のレベルが高くて、和紗は死ぬ気で勉強した。
元々、頭は悪いほうではなかったが、数学が苦手なのがネックになっていて、合格判定はいつもB判定。