戸惑いプリンセス


みんなの視線を追うと、そこにはお腹を抱えて転げ回りそうな勢いで笑っている一人の女子生徒。


「初日から二人も遅刻?最高すぎんだろ!」


男勝りな言葉使いで、机をバンバン叩いている。

その様子につられたようで、他の生徒も微かに笑っている。


「確かに度胸あるな!」

「もう伝説だよっ」


などと声が飛び交う始末だ。

和紗は救われたと胸を撫で下ろした。
どうやらお咎めは無いらしい。


「とりあえず二人共座れ」


未だに笑っている教師が二人を促す。


埋まっていない席は窓側と廊下側にあり、男子生徒が黙って窓側に進んでしまったので、和紗は大人しく廊下側の席に座る。

結咲なので当然とは思うが。


恥ずかしさもあいまって、俯いてへこへこと頭を下げながら席へと向かった。


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