純情BABY
『アンタ彼氏とヤったらソッコーで別れる尻軽女なんだろ』





私はHの経験もなければ、自分からフッた経験もないのに!





「私のカレシになったのって……」





『ヤるために決まってんだろ』





当たり前だろ、と言わんばかりのその口調にプツンとキレた。






「……も……か」





『あ?なんか言ったか?』




抑えられてた肩の力がゆるくなったその瞬間を見逃さなかった。





「お前もカラダ目当てかぁーーっ!!」




『うぐっ!』





思いきり上半身を起こして、その勢いでアゴに頭突きしてやった。





見事クリーンヒット、渋谷(敬称なんて必要ない!)は後ろへ倒れ尻餅をつく格好になった。





ジンジンと痛み始めるおでこを抑えながらベッドの上に立ち上がり、上から見下ろす。





「私はまだヴァージンだっつうのっ!!」





尻軽女って言われた悔しさと、おでこの痛みで、じんわりと浮かんできた涙。




ブレザーの袖で強引に拭いとった。




そしてボー然としてる渋谷から目を逸らしてベッドから降り、部屋を出た。




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