純情BABY
『ねえ、何でかって聞いてんだけど』





なんて答えればいいんだろう。




告ったらOKしてくれて付き合うことになりました。でも尻軽女と言われて、頭突きしてソッコーで終わっちゃいましたって素直に話す?





そんなの赤っ恥じゃん!





「えっとそれは…」





どう答えればいいのか思い付かずにしどろもどろになっていた。





そんな私に取り囲む女子たちはイラついてるんだろう。

顔つきがどんどんキツイものになっていく。




そんな恐い顔されたら余計に答えにくいんですけどーっ。





そんな時、ガラッと教室のドアの開く音がした。





みんな一斉に入り口を見る。






そして




『ここにいたんだ。教室に行ったらいないから探したよ』




爽やかな笑顔で中へ入ってまっすぐと進んで来たのは

昨日私が頭突きをした相手・渋谷だった。





ぶつかり合う視線に、彼の探してた人物が私なんだと理解する。





まさか、頭突きの仕返しに探してたの?




彼が私を探す理由なんてそれくらいしか思い付かない。




進んでくる彼から逃げるように後ずさったけど、そんな抵抗も虚しく彼の腕の中に捉えられた。




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