純情BABY
『本当に処女なのか?』




唐突に聞かれた、遠慮のない質問に一気に顔に熱が集中する。




「な、ななな何て事聞いてくんのよっ」




『だってアンタ昨日“ヴァージンだ”って恥ずかしげもなく叫んでたじゃないか』




そうだけど!




「だ、だからってわざわざ確認しに来なくてもいいじゃない!」




昨日デカイ声で叫んでしまった自分が急に恥ずかしい。




際限なく顔が熱くなっていく。




鏡を見なくても真っ赤な顔の自分が想像できた。




『…すげ〜真っ赤。その様子だと処女なのは本当みたいだな。じゃあ…謝っとくかな。えーと昨日はゴメンナサイ』




謝罪の部分だけ明らかに棒読みで言われた。




仕方なく謝ってる感がたっぷりで、謝られてる感じが全くしないんですけど?




『何だよその不服そうな顔は。俺に誤解させたアンタにも原因はあるだろ』




「原因?」




『“火の無いところに煙は立たない”っていうよな?』




それって噂をたてられた私にも落ち度があるって事だよね。




フラれて

ありもしない噂までたてられて

原因は私にあるとまで言われるなんて。



悲しさ通り越して惨めな気持ちになって泣けてきた。




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