純情BABY
『それで美鈴に嫌がらせした相手がわからないようなら、俺がずっと美鈴の側にいるから』




至って真剣な眼差しでそう言った。





『授業中は無理でも、登下校に休み時間、全部美鈴の為に使うよ』




うそ、だよね?





全部私の為に…?












『渋谷くんっ!!もし益田さんに嫌がらせするような人がいたら、私たちで何とかするから!だからっ

渋谷くんはそこまで頑張らないでっ!!』

『私も協力するわ!』


『私もっ!』




叫ぶように言った子に同調する声が次々とあがる。





もしかして、これが目的だった?





この子たちからすれば、渋谷と私の仲睦まじいツーショットなんて見たくもない光景。




もし私が嫌がらせされたら、渋谷が私を心配してずっと側にいる事になる。



つまり



見たくもないツーショットを見ないで済むなら、嫌がらせは諦めるしかないって事だ。






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