純情BABY
そう感じたのも一瞬で、ドキドキと全身が心臓になったみたいに波打った。





かけてたはずのメガネは外されていて、渋谷の手の中にあった。




切れ長な目がレンズ越しじゃなくてはっきりと晒されている。





それだけでいつもと感じが変わっててドキッとする要因になるのに。




その瞳が弧を描くように細められて、その上薄い唇から覗く白い歯。




歯が見えるほどの笑みを浮かべて私を見ているからいけないんだ。




だからこんなにもドキドキしちゃうんだよ。




『どうした?』




言葉を失って魅入ってた私にまだ笑みを浮かべたまま問いかけるのはズルイ。





ドキドキが止まらないじゃんか。




「で、でも地味じゃない?目元とか前に比べたらキラキラしてないしなんか寂しくな…」

『俺はその今のお前の方が断然好きだ』





話の途中で遮って言ったその言葉に口が開いたまま固まってしまった。





……今、好きって言った?






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