純情BABY
そんな扱いのせいで、渋谷と私が一緒にいるとこを誰も見ないから、別れたなんてデマが流れちゃうんだよ!




冗談じゃない!と鼻息荒く、ケータイを取り出して、メール作成画面を開く。




『・・・渋谷君にメールすんの?なんて書いて送る気?』




尋ねてきた亜弥の声は完全に面白がっていた。




親友なら面白がっていないでもっと心配してよ!




「今日こそは一緒に帰ろう。生徒会終わるまで教室で待ってるからって、送るの!
ラブラブ下校を見せ付けて、噂なんて吹き飛ばしてやる」




言いながらメールを送信して返事が来るまでケータイを開いて待とうとしてる私に亜弥は、





『生徒会終わるの遅いらしいし、その頃には部活の生徒もいないから、誰にも目撃されないと思うよ?』




素っ気なくそう言った。




「き、帰宅途中を、放課後寄り道してる人が見かけるかもしんないし!!」




食い下がって言ってみれば、



『美里の家、学校の目の前じゃん。誰が見るのさ』




容赦ない言葉を投げつけられて。




「で、でも、ちょっとでも会えたら嬉しいし、」




それでもしつこく言うと。



『数分一緒に帰るために何時間も1人で待てるの?教室は暗くなってくるし薄気味悪いと思うけどな〜。あ、私は待つの付き合わないからね』




最後はニッコリと微笑みながら容赦なく突き放された。




・・・冷たすぎるよ、my親友。






< 84 / 109 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop