純情BABY
『たいした傷でもないのにすげー心配そうな顔で、丁寧に手当てしてくれるの見てたらさ、あっというまに美鈴が気になる存在になってた』




な、なんか話の流れがおかしな方向にいってない?


このままこの話を続けるのはよくない気が…。




「のぼ、」
『美鈴にカレシが出来たって知った時は落ち込んだ。別れたって知った時はチャンスだって思った』



話を遮られるのを拒むように昇は話し続ける。




『美鈴を抱こうとして拒否られた時は、こんなに好きなのにどうして俺はダメなんだよって頭に血が上った。
…美鈴が好きすぎて弁解なんて聞ける状態じゃなかったんだ』




「そ、そうだったんだ」




としか言えない。
だってそうでしょ?




今さらそんな話をされてどう答えろって言うのさ!!



『あの時、美鈴の言うことに耳を傾けて、信じてたら今頃俺たちどうなってたんだろうな』




し、知るかそんなの!!




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