純情BABY
『お取り込み中なようだけど学校に残れる時間もあと少しだから、下校支度して』




腕に生徒会の腕章を付けた渋谷が教室の入り口付近から声をかけてきた。




弾けるように壁に掛かる時計を見ればもう18:30間近。




嘘っ!もうそんな時間!?



夏休みまで1ヶ月きった今、どんどん日が長くなってて外も明るいしせいぜいまだ17:00頃かと思ってた。



そういえば少し前まで聞こえてきてた野球部らしきかけ声やおそらく陸上部だろうホイッスルの音も聞こえなくなってる。




私どんだけ課題に集中してたんだろう。




しかも時間経ってるのにたいして勉強はかどってないしもしや無駄骨?




あ、もしかして昇がここに来たのって部活が早めに終わったから?



謝るために着替えもせずに来てくれたのかな。




昇、イイ奴じゃん。私またちょっと感動したよ。





それに比べて。




問題なのは渋谷。




待ってた私に対しての第一声がアレってどうなの?





ちょっと酷くない?




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