夢物語
「ありがと奈央―♪」
奈央が笑顔で菜月にかごを渡す。
あたしの手元に、かごはない。
「・・・?あれ、うちのは?」
「祐乃は自分でとって♪」
奈央は、笑顔で否定。
「ぅわっ!菜月ダケずるい−!!」
「だってうちら、11年の付き合いだもんね、菜月?」
「ねぇ、奈央♪」
2人は顔を見合わせる。
「ぶぅ〜!!」
わざと膨れて拗ねた表情をする。
そして、笑い合う。楽しい時間・・・
ガサガサッ・・・ポイポイッ
気に入ったものがあれば、左手に持っているかごの中にほうりこむ。
「よし・・・あたしはもう、これでい−や・・・」
チャリンッ
言われたとおりの金額を払ってお菓子の入った紙袋を受け取る。
あたしに続いて奈央、菜月と会計を済ました。
ガラガラガラッ
「んしょ〜」
駐車場とお店をわけるブロック塀の上に3人で座る。