夢物語
3.スキ・・・・?
パコーン、パコーン
今は朝練の最中。
パコーン
「ねぇ千祐?」
あたしは千祐〈ちひろ〉に話しかけた。
「ん?なぁに?」
千祐には今まで何でも話してきた。
「あのさ・・・松井てかっこよくない?」
少し照れながらきく。
「え゛全然かっこよくないっよ」
「えぇ〜?かっこいいって」
千祐の返事に反論する。
「なんで〜?もしかして祐乃、松井が好きなの〜?」
ドッキン
この・・・高まる鼓動と心の奥から溢れそうな気持ちは・・・
「好きなのかなぁ〜?」
嘘。
この感情は絶対に『恋』だ・・・・
「でも松井はやめた方がいいって」
全力で松井の存在を拒否する千祐。
「えぇ〜?何でぇ〜」
あんなにかっこいいのに・・・・・
「集合〜っ」
キャプテンの声がコートに響いた。
「「はぁ〜い」」
みんなの声が重なった。