【鬼短1.】顔無し鬼
−"あたしはななです。
きょう、3さいになりました。
あしたから、ほいくえんに行きます。"
そうかそうか。おとうさんもおかあさんも、たんぼや畑のお世話が忙しいからね。
−"まいにち、ほいくえんからかえってきたら、ちゃんと来ます。"
うん。
ななちゃん。きみのお話し、どんなお話しも聞くからね。
泣いたっていいんだ。
誰かに怒るのだって、わたしときみの秘密だから大丈夫。
−"かおなしさま。ななを幸せにしてやってください。わたしらの、この家の、たったひとりの子供です。"
おばあちゃん、わたしにはそんな力はないんだ。知ってるでしょ?
でも、ななちゃんがいつも笑顔でいられるように、お話しのお礼をちゃんとするからね。