愛してほしい。~ホストのリアル~
「本当に友達に接するのと変わらないよ。甘い言葉や思わせぶりな発言は一切しない。営業メールも電話もしなくていいし、かなり楽」

「そんなんで仕事になるんですか!? 営業しないなら店に来ない可能性も、」

「ちゃんと来てくれるよ」

「……え?」

「こっちがマメに連絡しなくても、思わせぶりなこと言わなくても、一緒にいる時間が長くなれば客は自然に惚れてくれる。だから、営業かけなくても会いに来る」

「……マジですか?」

「うん、マジ。その代わり、そうなるまでにちょっと時間がかかるけどね」


話し込んでいるうちに俺達はいつの間にか、繁華街の出入り口にある橋まで来ていた。
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