愛してほしい。~ホストのリアル~
01.ホスト生活開始
開店前の店内は明るくて、ここは本当にホストクラブなのかと疑うほどだった。
白と黒を基調にした、だだっ広いワンフアロのシックな空間。
その中心を取り囲むようにしてグルリと配置されている、十卓のボックス席。
その中の一つ。
“代表”という役職者に案内された、一番大きな黒の長ソファがテーブルを挟んで向かい合って置かれているボックス席には、営業開始前のダルそうなホスト達の姿があった。
テレビで見たことのある華やかな雰囲気から随分とかけ離れた、素に近い状態の先輩方の顔を見て、俺の気持ちは一気に軽くなっていく。