愛してほしい。~ホストのリアル~
俺の頭の中には“流星”という名前が激しく駆け巡り、中性的な顔がはっきりと浮かんでくる。


見間違いじゃなければ確か……入り口から入って真正面の壁に飾られていたナンバーファイブまでの写真の中で、一際大きな額縁に入れられていたその人だ。


“No.1 葵 流星”


俺が求める甘美な称号。

それを携えた写真には、アシンメトリーの金髪を筋盛りにした、艶のある綺麗な顔。


俺様風に上から見下げた色っぽい視線。
口角の上がった閉じた薄い唇。


鮮明に思い出せるほどインパクトのあるその顔を探す為、ボックス席の前で突っ立っていると、


「あぁ、そうか! 流星は三十分遅刻するんだった!」

代表の間抜けな声が聞こえてきて、思わず溜息を吐き出した。
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