キミは聞こえる
かゆそうに爪を立てる。
すかさずのぞき込む。
≪テープのところがかぶれちゃったのかな≫
翔吾の桜貝のような爪が点滴の針を固定するための医療用テープをはがそうとする。
勢い余って一緒に針まで抜いたら危険だと思い、泉は立ち上がった。
≪いま、看護士さん呼んでくるからちょっと我慢しててね≫
鞄をそのままに泉は廊下に出た。
ナースステーションへと足を運ぶ途中、ベッドに備え付けられたナースコールを利用すれば早かったと気づいたけれど、もうナースステーションは目の前だった。
ちょうどよく友香の後ろ姿が見えた。
そして、
(あ―――)
彼女の奥には、彼らもいた。
すかさずのぞき込む。
≪テープのところがかぶれちゃったのかな≫
翔吾の桜貝のような爪が点滴の針を固定するための医療用テープをはがそうとする。
勢い余って一緒に針まで抜いたら危険だと思い、泉は立ち上がった。
≪いま、看護士さん呼んでくるからちょっと我慢しててね≫
鞄をそのままに泉は廊下に出た。
ナースステーションへと足を運ぶ途中、ベッドに備え付けられたナースコールを利用すれば早かったと気づいたけれど、もうナースステーションは目の前だった。
ちょうどよく友香の後ろ姿が見えた。
そして、
(あ―――)
彼女の奥には、彼らもいた。