青空



気づけば体育館裏にいた。
一番落ち着ける所。
小学校、中学校の時も何かあれば、すぐに体育館裏にいた。

「あ~ぁ。制服濡れてる…」

さっき投げられたバケツには水が入っていたらしい…。

いじめられる理由?
ただただ、あたしが気に入らないらしい。

いじめっこグループのリーダー格 笹川莉奈。

小学校から一緒にいて、親友と言えるほど仲良しだった。

――――中学校に入った頃
莉奈と好きな人が、かぶってしまったのがいけなかった。
わがまま、有言実行の莉奈にあたしが勝てる訳なかったのに…勝ってしまったあたし。
それが、すごく気にいらなかったらしい。

莉奈が嫌なら、あたしは付き合うのも我慢しよう、って思ってた。
それでも、背中を押してくれたのは…





莉奈だったよね。







気づけば良かった。
その頃から莉奈の嫌がらせは、始まっていた事。



「さむ…っ」

9月ともなると、ただでさえ肌寒いのに、水をかけられたりなんてしたら風邪をひいてしまう。


破られたワイシャツから覗く傷痕だらけの腕。

何度死のうと思ったのだろう。死にたくて消えたくて傷つけたこの腕からこの傷痕は消えない。


『キタナイ』『キモチワルイ』『チカヨルナ』



親、先生…周りの人はみんなそう言った。

何が…どれが…どこが?


傷ついて悩んで耐え抜いたこの痕のどこが

キタナイの?キモチワルイの?



「はぁ…はぁはぁ…げほっ」


過去を思い出して過呼吸になって苦しくなる。

あたしは誰にも必要とされないのですか?
ねぇ、神様…。

あなたまで私を必要としないのですか……?








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