宮地岳線
三学期初日の朝、宮地岳駅のPRボードに貼られた「部分廃止のお知らせ」―明らかに年明けに貼られたものだ―を見ながら、健太は茫然と立ち尽くしていた。「どうしてこうなるんだよ…」
あと二ヶ月で、逢えなくなる…。
今日もいつものように三苫駅から乗ってきたポニーテールの“あの人”の姿に、今日の健太の顔は思わず歪んだ。
このいつもの光景が、あと二ヶ月で、いつもの光景ではなくなってしまう…。
四月以降も電車は三苫は通るのだから、彼女はこれからも、この駅から通学するのだろう。
やはり、髪をポニーテールに結って。
別れの日は、日一日と迫ってくる。四月一日と、その日ははっきりとわかっているのに、健太はどうすることも出来ない。
ただ出来ることは、“あの人”の姿をしっかりと目に焼き付けておくことだけだった。
かつて自分が、この宮地岳線で一人の女性に恋をした、その思い出のために…。
三学期終了式の朝。
健太が宮地岳線で通学する、最後の日。
健太にとっては、特別な日。
しかし三苫駅から、いつものポニーテールで乗ってきた“あの人”にとっては、今日は単に三学期最後の日であるだけにすぎないのだろう。
(今日でもう、さよならだね…)
あと二ヶ月で、逢えなくなる…。
今日もいつものように三苫駅から乗ってきたポニーテールの“あの人”の姿に、今日の健太の顔は思わず歪んだ。
このいつもの光景が、あと二ヶ月で、いつもの光景ではなくなってしまう…。
四月以降も電車は三苫は通るのだから、彼女はこれからも、この駅から通学するのだろう。
やはり、髪をポニーテールに結って。
別れの日は、日一日と迫ってくる。四月一日と、その日ははっきりとわかっているのに、健太はどうすることも出来ない。
ただ出来ることは、“あの人”の姿をしっかりと目に焼き付けておくことだけだった。
かつて自分が、この宮地岳線で一人の女性に恋をした、その思い出のために…。
三学期終了式の朝。
健太が宮地岳線で通学する、最後の日。
健太にとっては、特別な日。
しかし三苫駅から、いつものポニーテールで乗ってきた“あの人”にとっては、今日は単に三学期最後の日であるだけにすぎないのだろう。
(今日でもう、さよならだね…)