たいむりみっとらぶ [中編]
「あ、渋谷だ!おーい!渋谷!!―あのな、成海が……」
隣で今のことをそっくりそのまま渋谷に話している倉川。
この2人が、今回のゲームの首謀者。
俺は乗ってやっただけ。
でも…始めからオトすつもりではいたけど、こんなに簡単だとはな…。
倉川の話を聞く限りでは、どの告白も全部玉砕らしいしさ?
ダメ元 ってやつだったんだけど。
まさかあんな反応されるとはな…。
「やだぁ〜にやけてる!成海クン気持ち悪いぃ〜!」
「…うっせ!倉川!」
…でも、まじで驚いた。
あのルックスで、まるで恋愛初心者みたいな反応だったから。
すぐ顔赤くなってたし、慣れていなさそうな感じ?
ま、それも計算だったりしてな?
「まぁいいよ。とりあえずお前らは金貯めとけ☆」
俺は倉川と渋谷の肩をぽんっと叩いて、女たちの群れに紛れた。